未成年などを含めた女性を脅迫し、不適切な動画を撮影、インターネット上に流出した通称『n番部屋』(n번방)の運営者である『博士』の身元を公開することに芸能人も続々と同意をしています。
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『n番部屋』(n번방)事件の概要
2018年末から現在まで続いている未成年などを含めた女性を脅迫し、不適切な動画を撮影、チャットアプリ『Telegram』にて有料で流出させた『n番部屋』事件。
被害者は少なくとも数万名~30万名以上はいるとされ、『n番部屋』の代表的なチャットルームである『博士部屋』(박사방)の場合、被害女性は現段階で74名、そのうち16名が未成年であることが明らかになっています。
『博士部屋』の詳細
2019年のはじめから急激に増加したという『n番部屋』。当時『女教師』『女軍人』『女刑事』『看護師』『女子中学生』『女児』などといった種類のルームがネット上で作られては消えるといったことが繰り返されていたようですが、その後『博士部屋』が普及することに。

2019年7月に登場した首謀者『博士』は女性たちを脅迫し、身元を把握、不適切動画を撮影してはインターネット上に公開します。
犯行の手口とは?
『博士』は基本的に生活に苦しく、お金が必要な女性の心理に付け込みスポンサーなどのアルバイトの募集をかけ、そこで個人情報などの身元を収集し脅迫、不適切動画を撮影しネット上に投稿した女性たちのことを『奴隷』と呼び、3つの有料システムで動画を販売、利用者1人あたり20万ウォン、70万ウォン、150万ウォンの代金を仮想通貨で受け取っていたといいます。

『博士』の逮捕で身元の公開を要求する署名運動が行われる
2020年に入り、3月16日に『博士』とみられる20代の男性が逮捕。その後、男性は犯行を否定、自殺未遂を試み病院に搬送、その後新型コロナウイルスの症状がみられましたが、結果は陰性とされています。

この件により、3月18日から『博士』を含む『n番部屋』の加害者、そして利用者全員の身元公開を要求する署名運動が行われ、多くの国民が同意しています。


多くの芸能人たちも容疑者公開に同意する
これを受け、芸能界でも多くの芸能人たちが容疑者の『n番部屋』の加害者の身元公開に同意をしています。

Girl’s Dayヘリ、CNBLUEチョン・ヨンファ、VIXXラビ、EXOベッキョン&チャニョルなどが『厳罰を望みます』とinstagramのストーリー機能を用い明かしましたが、『博士』の身元公開の可否については3月24日の審議で決まるとのことです。
【2020/04/28追記】悪質コメントに対し警告したVIXXラビ
VIXXラビは4月27日、instagramのストーリー機能を用い、悪質コメントに対し警告。その内容がかなりひどいもので『女の子と遊んでばっかりで、お前なんてチョ・ジュビンと一緒だろ』といったニュアンスのコメントが見受けられます。
僕が後輩の歌手と会っていたという理由で誤解され、アンチが多いというのも理解はしています。立て続けの暴言や脅迫もただ受け流そうと思っていましたが、悩んだ末話そうと思います。
このような発言のせいで僕と周りの同僚たちがパニック障害、うつ病、不安障害に陥り、息をすることさえもままならない人生を過ごしています。誰かにとってはその人が全てであって、大切な人です。愛されたくて、そしてそれに応えたくて汗を流し努力している人達です。
なぜこのような行動に芸能人と、彼らを愛し応援することが幸せなファンが傷つき、感情の無駄遣いをしなければならないのでしょうか?異常な趣味、そして無駄な行動力に時間を使わず、もう少し生産的で、本人と周りの人々に助けになることに関心を持っていただきたいです。完璧な人などいないでしょう。足りない部分があるからお互いそれを補うんです。時間の無駄遣いはやめましょう。
別にいいことをしろと言ってるわけではありませんけど、傷を与えるという異常な人生を送らないでください。皆失敗を通じて生きています。考えを変えてください。心身ともにつらく八つ当たりをするくらいなら、もう少し健康な方法で解消してください。他の人の妨害をせずにできることはたくさんあります。
いつも我慢することよりも、このように話すことで、これらの行動をする方が少しでもいなくなるよう願うばかりなので、僕の心配はいりません。僕は皆様の愛のおかげで幸せです。
【2020/03/24追記】警察の公式発表の前日に『博士』の身元が明かされる
このような『博士』の身元公開に多くの国民たちも同意する中、警察の公式発表の前日にSBS『8ニュース』で『博士』の身元が公開されました。
名前はチョ・ジュビン(25歳)で、以前から各種報道番組でモザイク無しで顔が公開されていましたが、今回の身元公開に合わせ、チョ・ジュビンの経歴が少しずつ明らかになっています。
チョ・ジュビンの卒業写真にネット上も驚き?
チョ・ジュビンの身元が明かされた後、とあるオンラインコミュニティでチョ・ジュビンの卒業写真が公開され、ネット上を驚かせています。
▲theqoo.net
卒業写真の中のチョ・ジュビンはいたって平凡な青年というイメージを受けたネットユーザーは「人というのは信じられない…」「どんな人が犯罪を犯すのか分からない…」といった反応を示しています。
優秀ながらも社会への適応ができなかった?
また、知人の証言によると、チョ・ジュビンは2018年に大学を卒業後、文章を書くことが好きで、大学では新聞の発行を担当していたといいます。

▲naver
チョ・ジュビンは非常に優秀な学生で奨学金を何度も受けたものの、普段から書いていた文章は支離滅裂で、社会生活に適応できなかったことが明らかになっています。
児童養護施設のボランティアも精力的に行っていた?
また、チョ・ジュビンはボランティアにも意欲的だったようで、NGO団体の支援チームの副チーム長を任されており、児童養護施設で暮らす子どもたちともよく遊んでいたといいます。
子どもたちと楽しそうに過ごすチョ・ジュビンはその裏で不適切なことに手を染めていたということになるため『余計に鳥肌が立つ…』とネットユーザーたちは愕然としています。
【2020/03/24追記】警察も正式に『博士』の身元を明かすことを発表
なお、公式発表の前日にニュースでチョ・ジュビンの身元が公開されたことに対し、警察は「適切ではない」とし、3月24日に予定通り公式発表をするとしていました。
警察側もまた審議にてチョ・ジュビンの身元公開、検察に送致される際にマスクや服などで顔を隠さず、素顔でメディアに公開するとしています。

そして、3月25日の午前8時、検察に送致されることになったチョ・ジュビンは首にギプスを付けたまま顔出しで警察署から登場。

▲naver
取材陣の「被害女性に対し何か言うことは?」「不適切動画流出の容疑は認めるのか?」「犯行について後悔しているか?」「未成年の被害者に対し罪悪感は無いのか?」などの質問については無言を貫いています。
【2020/04/29~追記】共犯者の身元が続々と明かされることに
①カン・フン(19歳): ハンドルネーム『ブッタ』(부따)
さらにチョ・ジュビンの共犯者とみられるカン・フン(19歳)の身元を公開することが4月16日に正式に決まり、翌日の4月17日にソウル・鍾路(チョンノ)警察署から留置所に送致されることに。

カン・フンはチョ・ジュビンの主要共犯者として『博士部屋』にて参加者募集、サイトの管理をし不適切動画を多数流し、その収益金をチョ・ジュビンに渡していた容疑がかけられています。ハンドルネームは『ブッタ』(부따)です。
②イ・ウォノ(19歳): ハンドルネーム『イギヤ』(이기야)
その後、4月28日にも共犯者である陸軍一等兵のイ・ウォノ(19歳)の身元も公開されました。

▲naver
イ・ウォノのハンドルネームは『イギヤ』(이기야)で、『博士部屋』で未成年者をはじめとした女性を対象に不適切動画を何百回も流出し、外部に『博士部屋』を宣伝した容疑(青少年保護育成条例違反など)がかけられています。なお、軍人の身元を公開したのは今回のケースが初となります。
③ムン・ヒョンウク(24歳): ハンドルネーム『カッカッ』(갓갓)
そして、5月13日の午後、『n番部屋』の創設者である『カッカッ』(갓갓)の身元を公開することを明かした警察側。『カッカッ』の正体はムン・ヒョンウク(24歳)で、2019年7月から『カッカッ』に対する捜査を続けていた警察側は約10ヶ月後の5月9日にムン・ヒョンウクを逮捕。

その後の取り調べにてムン・ヒョンウクは当初容疑を否認していたものの、警察側が5200ページにわたる捜査記録をムン・ヒョンウクに提示したことで容疑を認めたとのことです。その後、ムン・ヒョンウクは5月18日に検察に送致されました。

▲naver
④アン・スンジン(25歳)
さらには2015年3月~2016年3月まで『カッカッ』ムン・ヒョンウクともに被害女性を脅迫、不適切動画を制作した疑いで6月15日に拘束されたアン・スンジン(25歳)が6月22日に身元が公開され、その翌日である6月23日の14時に検察に送られることとなりました。

さらにアン・スンジンは2015年4月ごろ、SNSを通じて知り合った児童と不適切な関係に及んだ容疑もかけられています。

▲naver
⑤ナム・ギョンウプ(29歳)
そして7月15日、被害者を誘ってはチョ・ジュビンが不適切動画を制作するのに加担した容疑で7月6日に拘束さえたナム・ギョンウプ(29歳)の身元が公開、検察に送致されました。

そんなナム・ギョンウプは2021年に入り、1月14日と27日の2回にわたり日本の某女優の写真5枚を留置場に持ち込もうとしたところ、それがバレたことで現在は独房で生活しているとのこと。
【2020/10/23~追記】その後の求刑詳細
容疑者 | ハンドルネーム | 結審公判(求刑日) | 第1審(求刑日) | 控訴審結審公判(求刑日) | 控訴審(求刑日) | 上告審(求刑日) |
チョ・ジュビン | 博士 | 無期懲役(2020年10月22日) | 懲役40年(2020年11月26日)※1 | 無期懲役(2021年5月4日) | 懲役42年(2021年6月1日) | 懲役42年(2021年10月14日) |
カン・フン | ブッタ | 懲役30年(2020年12月8日) | 懲役15年(2021年1月21日) | |||
イ・ウォノ | イギヤ | |||||
ムン・ヒョンウク | カッカッ | 無期懲役(2020年10月12日) | 懲役34年(2021年4月8日) | 懲役34年(2021年8月19日) | ||
アン・スンジン | 懲役20年(2020年9月24日) | 懲役10年(2020年12月17日) | ||||
ナム・ギョンウプ | 懲役17年(2021年7月8日) |
※1: ニュースでは懲役40年+下記の別件での懲役5年を合わせ『懲役45年』と報道されているところが多い。
チョ・ジュビンが別件にて懲役15年求刑(結審公判: 2021年1月20日)。
チョ・ジュビンが別件(収益の隠蔽など)にて追加で5年求刑(第1審: 2021年2月4日)